HOME>ミツバチの生態 >環境を制御する
                             

環境を制御する

赤いダリアとミツバチ   

ミツバチは、人間と同じように環境をある程度制御して暮らしています。

たとえば、巣内には多くの備蓄食料があり、突然の蜜源枯渇や長い冬に備えています。 また、高度な巣を建築することで外気の変化や外敵から身を守っています。 育児でいうと、自らミルク物質を分泌して与えることで外界の食物の質から独立し、安定した子育てをすることが出来ます。

さらに、巣内中心部は常に33〜35度の間に保たれています。 これより高くなると、外から水を持ち帰り、巣内にまいて気化熱で低くしたり、 出入り口で羽を羽ばたかせて巣内の空気の循環を図ります。 また、適温より低くなると各個に飛翔筋を収縮させて熱を発生させることもできます。

◆ミツバチの冬越し

多くの昆虫は冬を卵か土の中で寒さをやり過ごしていますが、ミツバチはコロニーの力で冬を乗り切ることができます。 冬の寒い時期になると、巣の中心部に全員が集まり、ミツバチの球体を作るのです。 中心部には守るべき女王蜂、周りに働き蜂がいて、飛翔筋を収縮して熱を発生させています。 一番外側の働き蜂は冷えてくると中にいる蜂と交代します。筋収縮にはエネルギーを使うため、 蓄えていた冬用の食糧が出番となるわけです。 こうしてミツバチは冬を集団の暖房で乗り切っています。

このようにミツバチは環境を制御することで恒常的にコロニーを維持できるようにしています。 他の昆虫とは全く違ったやり方で繁栄を目指しているのです。

  
     
  
Copy Right(C)2012 著作権の表示 All rights reserved.   
inserted by FC2 system